パリ市の緑化許可証 permis de végétaliser ペルミ・ド・ヴェジェタリゼ

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2016年夏、


パリ郊外のアパートを引っ越して


また、パリ市の住人に戻りました。


早いものでもうすぐ2年になります。






新しい住まいは、


パリでは「絶対にやめたほうがいい!」と言われる


地上階(日本の1階)。



今、こうしてパソコンを打っている私の

すぐ隣の歩道を


通行人が歩いて行く、という環境です。



引越し当初はビクビクしました!!





もうちょっとプライバシーが欲しい。




そこで今、


窓の下にプランターを置き、


通行人と窓の距離を作ろう、と狙っています。


パリ市が発行する『緑化許可証』を活用して!





2015年に始まった『緑化許可証』の制度は、


パリの住人たちが自由に街を緑化できるよう


支援するものです。





歩道や道路は公共のスペースなので


本来は植木鉢をおいたり、


花を植えたりすることはできません。


が、希望者に許可証を発行し、


パリを耕す(!)夢をかなえるのが『緑化許可証』。





待ちを歩いていると、


街路樹の根元を花壇にしたり、


歩道の手すりに植木鉢をおいたり、


いろんなアイデアを見ることができます。







皆さんもご存知の通り


パリの歩道は犬のフンやタバコの吸殻、


その他のあらゆるゴミがいっぱい・・・




そんな環境を改善するには、住人の意識改革が絶対に必要。


『緑化許可証』のおかげで、


住人たちの「街の美化」に対する意識が


少しずつ変わるはずです。





ひとまず私の『緑化許可証』、早く届かないかな・・・


















DEMAIN— フランス映画『明日』

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2015年12月に上映され、
以来ロングランを続けているフランス映画
『DEMAIN』。
ドゥマン=明日、というタイトルの、ドキュメンタリー映画です。

メラニー・ローランさん(女性)と
シリル・ディオンさん(男性)の
二人の映画監督による作品。
(ともに30代)


「私が妊娠している時、
2100年には人類のほとんどが滅亡する、という研究結果を知りました。
子供達の世代は、水やエネルギーに乏しい環境に
暮らすというわけです」




映画は、こんなメラニーさんのダイアログで始まります。


「じゃあ、少しでも環境を守るために
私たちはどうすればいいの?」

「具体的に何ができるのかな?」


みんなが思う素朴な疑問の答えを求め、
映画仲間が集まって、世界中のパイオニアを訪ねて話を聞いた
旅の一部始終が、
フランス映画らしい詩的な映像と
情緒を盛り上げる音楽とともに
展開される・・・映画らしい、いい映画でした。



『DEMAIN』は、私の次女が課外授業で見に行き、
「よかったよ」
と、教えてくれて、知った作品です。
確か、封切り間もない頃だったと思います。


その後、2月のセザール賞(フランスのアカデミー賞)では
最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞。
何より、4ヶ月経った今も上映され続け、
啓発的なドキュメンタリー作品としては異例の
成功を収めている。




私は最初、この作品は
オーガニック農業のことだけを
語るものだと想像していました。


そしたら、とんでもない、
農業から経済、経済から政治、政治から教育、と
話はどんどん広がります。



いろいろな驚きがある中で
特に印象的だったのは、
大規模集中農業よりも、
小規模なパーマカルチャーの方が、生産性が高い
、ということ。


面積から得られる収穫物が多いのです。


しかもこれは誰にとっても明らかな事実で、
研究者のみならず、政治家も、
もう何年も前からよく承知している、と。



「それならなぜ、早く切り替えをしないのですか?」


この問いかけに
オリヴィエ・ド・シュッテールさん
(ベルギー人法律家、大学教授、国連特派員)は、
こう答えていました。

「政治家は、現時点の要求に
すぐに応えなくてはなりません。
これはもっともなことです」




農産業が世界の5大企業に牛耳られていて、
その5大企業が石油産業の親玉で、
彼らが儲かるように経済システムが作られている・・・



「そもそも、お金は誰が作れるの?」

「銀行ならどこでも作っていいんだよ!」


ということで、一同は
スイスのローカルマネー、ウィール(WIR)を訪ねます。
スイスには、企業人だけが知る通過があるんですね!


*そしてさすがインターネット、
WIRについて書いてらっしゃる方がいました!→こちら



ローカルマネーを使うことで
その地域の中だけで通過が回り
その地域の産業が潤う、というヴィールの仕組みに賛同し、
イギリスのブリストルでも
このローカルマネーが取り入れられているそうです。




ここで面白かったのが、
私たちが民主主義と思っていることは
実は民主主義じゃない、という発見でした。


「弱肉強食は健全な自由競争の摂理、
普通なこと、仕方のないこと」
ではないのですね!



例の5大企業と別の場所で消費活動をすれば、
大幅にお金の問題から自由になれるのでは?
これは経済難に苦しむ私には朗報です!
(とは言っても実際はなかなか難しいですが、
それでも希望が持てます)



約1時間半のドキュメンタリーを
ここで要約するのは無理なので、
是非とも日本で上映してほしいものです。
ドイツ上映は、今年6月から決定しているとのこと!


長〜い不況に苦しむ日本経済の影響をもろに被って
やってゆかねばならない今の人たち、
これからの人たちが、
『DEMAIN』から素敵なヒントをつかんでくれる、
そんな気がします。


それに第一、誰だって
「環境が破壊される」
「水がなくなる」
「石油が枯渇する」
「食料が不足する」
等々、
お先真っ暗な考えとともには、生きて行けないですよね


公式サイト→DEMAIN le film








鶏と生ゴミ

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 ↑ クリックするとニュース動画にジャンプします

『CO2削減、解決策はお皿の中』
こちら の
カンファレンス会場となった
ラ・ルシクルリー。

「リサイクルの場」という造語を
店名にしていることからわかるように、
都市生活におけるエコロジーへの取り組みを
具体的に実践する
飲食店修理屋さん多目的スペース・・・です。



場所は、クリニャンクールの蚤の市で有名な
メトロ・クリニャンクール。
地上に出ると、すぐ脇!


実は、建物は使われなくなった駅舎で、
廃駅を線路脇の敷地ごと再活用。
家具から食器に至るすべてを
リサイクルで実現している、という。

でもこれが、ボロいどころか、
めちゃめちゃかっこいいんです!



そのラ・ルシクルリーが実践している、
「生ゴミの処理法」のニュースを見つけました。
上の画像がそれです。


調理場で出た野菜の皮や、
お客さんが残した残番を、ゴミ箱に捨てる代わりに
鶏に食べさせています。


「鶏にはパン、と思いがちですが、
実は雑食動物。
レタスでも脂身でも、なんでも食べるんですよ」




と、マルタンさん。



「鶏は、年間200㎏もの残飯を消費します。

ウチには20羽以上いますから、
数トンになる勘定ですね」




お客さんたちの反応も良好で、


「パリの住人も、もともとは田舎の出身者。
こういう風景には和みますね」

「祖父や祖母たちの時代の
良い習慣に戻る思いです」


など。



日本でお会いした
パーマカルチャーの専門家・四井真治さんによると、
鶏は自分の足で土を引っ掻く習性があるので、
糞と空気が満遍なく地面に混ざり
循環農業の観点からも好都合なのだとか。
 *四井さんのサイト→ソイルデザイン




残飯を、ゴミにするのか。
それとも、鶏に食べてもらうのか。



地面をよくして、
卵も産んでくれて、
しかも、人間の出す残飯まで食べてくれる。

小さな体なのに、
すごいですね、鶏!!
第一、ゴミ箱より
ヴィジュアルもずっといいです・笑




La Recyclerie
La REcyclerie
83 boulevard Ornano
75018 Paris
T : 01 42 57 58 49
contact@larecyclerie.com
軽食コーナーは8時〜16時
他のスペースは12時〜深夜
(金土は午前2時まで、日は11時〜22時)






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